システムトイレと固まる猫砂、どちらが安い?

システムトイレと固まる猫砂、どちらが安い?:分かれ目は「固まる砂を月に何L使うか」 コスト比較

初期費用は、実はほとんど差がありませんでした。効いてくるのは毎月のランニングコストのほうで、答えは「固まる砂を月に何L使うか」で決まります。使っている砂しだいですが、だいたい月6〜12Lあたりが分かれ目です。

ペット用品全体の値上げ状況は ペット用品 値上げ一覧 2026 にまとめています。

最終更新:2026年9月13日/出典:各メーカー公式サイト、ヨドバシ.com 掲載価格(税込)/用語集

結論:分かれ目は「月に何L使うか」

猫1頭あたりの比較です。ニャンとも清潔トイレの月額(約1,111円)を、固まる砂の1Lあたり単価で割ると、商品ごとの分岐点が出ます。

使っている砂 素材 1Lあたり 分岐点(これを超えて使っているならシステムトイレが安い)
アイリスオーヤマ ウッディフレッシュ WF-160(16L) 89.4円 月12.4L
アイリスオーヤマ クリーン&フレッシュ Ag+ KFAG-80(8L) 鉱物 95.0円 月11.7L
常陸化工 ファインブルー 12L 99.2円 月11.2L
常陸化工 ファインブルー 6L 109.8円 月10.1L
アイリスオーヤマ ペーパーフレッシュ PFC-7L(7L) 111.4円 月10.0L
常陸化工 トイレに流せる木製猫砂 12L 131.7円 月8.4L
常陸化工 おからの猫砂 6L おから 154.7円 月7.2L
ライオンペット ニオイをとる砂 無香料 5L 鉱物 180.0円 月6.2L
ライオンペット ニオイをとるおから砂 5L おから 180.0円 月6.2L

この表は猫1頭あたりです。 2頭ならおおよそ2倍、3頭なら3倍の位置に分岐点があると読んでください。メーカーの公表値では、ニャンとものチップは頭数にきれいに比例しています(4.4Lが1頭で約3ヶ月、2頭で約1.5ヶ月)。ただしシートの2頭以降の目安は公表されていないのと、頭数が増えるとトイレの台数も増える(一般に頭数+1台が目安とされます)ので、シート代は台数ぶん増えます。厳密な数字ではなく、当たりをつけるための倍率として使ってください。

読み方はシンプルです。この量を超えて使っているならシステムトイレのほうが安く、下回っているなら固まる砂のままのほうが安い。

たとえばニオイをとる砂(5L)を使っていて、月に2袋(10L)開けているなら、分岐点の6.2Lを大きく超えているのでシステムトイレのほうが安くなります。逆に月1袋(5L)で足りているなら、今のままのほうが安いということです。

先に用語だけ

この記事には「システムトイレ」「固まる砂」という言葉が何度も出てきます。先に整理しておきます。

  • システムトイレ=上下2段の構造。上のすのこに砂(チップ)を入れ、尿はすのこを通り抜けて下の引き出しに敷いたシートに落ちます。砂は固まりません。デオトイレ、ニャンとも清潔トイレがこれです。
  • 固まる砂=尿を吸うと砂そのものが固まるタイプ。固まった塊をスコップで取り除いて、減った分を足していきます。トイレは1段で、シートは使いません。

うちのトイレはどっち? 底がすのこ状で、その下に引き出しとシートが入っていればシステムトイレ。砂だけが入っていて尿をすると固まるなら、固まる砂のトイレです。ほかの言葉は 用語集 にまとめています。

素材ではなく、単価で決まります

この表で気づいてほしいのは、同じ素材でも分岐点がまるで違うということです。

鉱物系を見てください。クリーン&フレッシュ Ag+ は月11.7L、ニオイをとる砂は月6.2L。同じ「鉱物の固まる砂」なのに、分岐点が2倍近く違います。 紙も10.0Lから11.2L、木も8.4Lから12.4Lと開いています。

「紙は安い」「鉱物は高い」といった素材のイメージで判断すると、けっこうな確率で外します。見るべきは素材ではなく、自分が実際に買っている商品の1Lあたり単価です。

ちなみに同じ商品でも容量で単価は変わります。常陸化工のファインブルーは6Lが109.8円/L、12Lが99.2円/L。大きいほうが9.7%安く、そのぶん分岐点も月10.1Lから月11.2Lへ動きます。

計算の前提

数字の出どころを先に書いておきます。ここが違えば結論も変わるので、自分の条件と照らし合わせてください。

まず猫1頭あたりで計算しています。 多頭飼いは記事の後半で別に扱います。

システムトイレの月額は、メーカーが公表している交換の目安から出しています。

デオトイレ
(ハーフ・フードタイプ)
ニャンとも清潔トイレ
砂・チップ 4L 1,600円/約2ヶ月 4.4L 1,620円/約3ヶ月
シート 20枚 2,250円/週1回交換 12枚 1,580円/週1回交換
月額合計 約1,287円 約1,111円
年額 約15,450円 約13,327円

交換の目安は、メーカーが公表しているものを使いました。ユニ・チャームのデオトイレ公式サイトは「月に1回は全てのサンドを新しいものに交換してください」としたうえで、サンドのもつ期間を本体のタイプごとに出しています。猫1頭なら、ハーフ・フードタイプが2Lで約1ヶ月、快適ワイドが4Lで約1ヶ月、子猫用が1.5Lで約1ヶ月。シートはどのタイプも1枚で約1週間です。この記事は、あとで本体価格を比べるハーフカバータイプに合わせて、ハーフ・フードタイプ(月2L)で計算します。 快適ワイドをお使いの場合は、サンド代を倍にして読んでください(月額約2,088円、年額約25,050円)。エステーのニャンとも清潔トイレ公式Q&Aは、レギュラーチップ4.4Lで1頭なら約3ヶ月・シートは1週間を目安に交換としています。

価格はすべてヨドバシ.comの掲載価格(税込)で統一しています。 同じ店の、同じ日の価格です。以前は固まる砂の単価に価格比較サイトの掲載価格を使っていましたが、システムトイレ側と出所が揃わず、厳密な比較になっていませんでした。今回は全部ヨドバシに揃えたので、そのまま並べて比べられます。

ただし、固まる砂を月に何L使うかはメーカーが公表していません。 猫の尿量も、砂をどれだけ深く敷くかも、掃除の頻度も家庭ごとに違うからです。なのでこの記事では「平均は月◯L」とは書かず、分岐点という形で出しています。当てはめる数字は、読んでいるあなた自身の消費量です。測り方はあとで説明します。

意外な結果:初期費用はほとんど差がない

「システムトイレは本体が高いから最初にお金がかかる」——よく聞く話ですが、実売価格を調べてみると、少なくとも売れ筋の価格帯では成り立ちませんでした。

ヨドバシ.comの人気ランキング掲載価格(税込)です。

システムトイレ

商品 価格
ユニ・チャーム デオトイレ ハーフカバー本体セット 2,710円
エステー ニャンとも清潔トイレセット オープンタイプ 2,940円
エステー ニャンとも清潔トイレ シンプルタイプ 1,980円
エステー ニャンとも清潔トイレ すいすいコンパクト 1,960円

固まる砂用の一般的な猫トイレ

商品 価格
リッチェル ラプレ ネコトイレ 深型60 2,000円
リッチェル ラプレ ネコトイレ 深型40 1,020円
アイリスオーヤマ 倒れにくいネコのトイレ オープンタイプ 1,480円

同じ価格帯ですよね。引き算してみます。

  • デオトイレ ハーフカバー本体セット 2,710円 − ラプレ深型60 2,000円 = 差710円。1年使うとして12で割れば月約59円です。
  • ニャンとも シンプルタイプ 1,980円 − ラプレ深型60 2,000円 = 差−20円。つまりシステムトイレのほうが20円安い

本体価格の差は、毎月のランニングコストの差(数百円から千円単位)に比べればほぼ誤差です。初期費用を理由にどちらかを避ける必要はありません。判断はほぼランニングコスト一本と考えていいと思います。

ちなみにニャンとも清潔トイレのシンプルタイプ(1,980円)とすいすいコンパクト(1,960円)は、リッチェル ラプレ深型60(2,000円)より安い。「システムトイレ=高い」という前提そのものが、この価格帯では逆転しています。

デオトイレを基準にすると、分岐点は少し遠くなる

ここまではニャンとも(月約1,111円)を基準にしてきました。デオトイレ(ハーフ・フードタイプ、月約1,287円)で計算すると、こうなります。

使っている砂 1Lあたり 対ニャンとも
(超えたら乗り換え)
対デオトイレ
(超えたら乗り換え)
アイリスオーヤマ ウッディフレッシュ WF-160(16L) 89.4円 月12.4L 月14.4L
アイリスオーヤマ クリーン&フレッシュ Ag+ KFAG-80(8L) 95.0円 月11.7L 月13.5L
常陸化工 ファインブルー 12L 99.2円 月11.2L 月13.0L
常陸化工 ファインブルー 6L 109.8円 月10.1L 月11.7L
アイリスオーヤマ ペーパーフレッシュ PFC-7L(7L) 111.4円 月10.0L 月11.6L
常陸化工 トイレに流せる木製猫砂 12L 131.7円 月8.4L 月9.8L
常陸化工 おからの猫砂 6L 154.7円 月7.2L 月8.3L
ライオンペット ニオイをとる砂 無香料 5L 180.0円 月6.2L 月7.2L
ライオンペット ニオイをとるおから砂 5L 180.0円 月6.2L 月7.2L

デオトイレはサンドが「2Lで約1ヶ月」、ニャンともは「4.4Lで約3ヶ月」。月に使う量はデオトイレが2L、ニャンともが約1.5Lで、デオトイレのほうが少し早く減ります。そのぶん月額が上がって、分岐点も全商品で1〜2Lほど遠くなります。ただし差は小さく、どちらを基準にしても分かれ目は月7〜14Lの範囲に収まります。

年額で見るとデオトイレ約15,450円 対 ニャンとも約13,327円、差は約2,100円です。同じシステムトイレでも年2千円ほど変わりますが、方式そのものを選び直すかどうかに比べれば小さな差ですね。

ただし快適ワイドを使っている場合は、話が変わります。 サンドが月4Lになるので年約25,050円、ニャンともとの差は約11,700円に広がり、分岐点も倍近く遠くなります(ウッディフレッシュ相手なら月23.4L)。本体のタイプが、そのまま結論を動かします。

自分の消費量の測り方

分岐点の表は、自分の消費量がわからないと使えません。測り方は難しくないです。

  1. 新しい袋を開けた日に、袋か手帳、スマホのカレンダーに日付を書く。
  2. その袋を使い切って次の袋を開けた日に、また日付を書く。
  3. 2つの日付の差が「1袋あたりの日数」です。

あとは計算するだけ。袋の容量 ÷ 使い切った日数 × 30 = 月間消費量(L)。

たとえばニオイをとる砂の5L袋を18日で使い切ったなら、5 ÷ 18 × 30 = 約8.3L/月。この砂の分岐点は6.2Lなので、それを超えています。ニャンともに替えたほうが安い、という判断になります。

1回測っておけば、買い替えのたびに計算し直す必要はありません。季節や猫の体調で変わるので、気になるなら2〜3袋ぶん測って平均を取るとより確かです。

尿量の多い猫ほどシステムトイレが有利になります

分岐点の数字より本質的なのは、2つの方式でコストの「かかり方」が違うことです。

システムトイレは、交換が日付で決まります。 月1回サンドを全量交換する、週1回シートを替える、という運用なので、その猫の尿量が多くても少なくても月額はあまり動きません。ニャンともなら月約1,111円、デオトイレなら月約1,287円で、上にも下にも大きくはぶれない。

固まる砂は、尿量に比例します。 尿を吸って固まったぶんを捨てて、同じ量を補充する仕組みなので、尿量が増えればそのまま消費量が増えて、費用も増えます。

つまり同じ1頭でも、よく飲みよく出す猫ならシステムトイレが有利に、少量の猫なら固まる砂が有利に傾くということです。分岐点の表に当てはめる数字が、猫によって大きく違うわけですね。

多頭飼いでは、頭数そのものは判断材料になりません

「多頭飼いならシステムトイレが得」と言われることがありますが、メーカーの公表値を見る限り、これは成り立ちません。

エステーのニャンとも清潔トイレ公式Q&Aは、レギュラーチップについてこう書いています。

◆2.5Lの場合 1頭で約1.5ヵ月/2頭で約3週間 ◆4.4Lの場合 1頭で約3ヵ月/2頭で約1.5ヵ月

1頭から2頭になると、もつ期間はちょうど半分です。きれいに比例していますよね。デオトイレも同じで、サンド4Lが1頭で約1ヶ月、2頭で約2週間。シートは1頭で約1週間、2頭で約3〜4日。やはり比例します。

固まる砂も頭数に比例して増えるので、どちらの方式も頭数に対しては同じように増えることになります。だから頭数そのものでは決まりません。効いているのは、1頭あたりの尿量のほうです。

ただしニャンともには「複数ねこ用チップ」という別ラインがあります。公式Q&Aには「4.0Lで約2ヵ月」「猫ちゃん2頭の場合…約2ヵ月/3頭の場合…約1.5ヵ月/4頭の場合…約1ヵ月」と書かれています。2頭ならこちらのほうが有利で、4.0L 1,510円が2ヶ月もつので月約755円。レギュラーチップ4.4Lを2頭で使うと約1.5ヶ月で月約1,080円なので、月325円ほど安い計算です。多頭飼いなら、まずこちらを検討対象に入れてください。

ただしこの1,510円という価格だけは、ヨドバシのメーカーページでしか確認できていません。他の商品は2か所以上で突き合わせているので、この行だけ確度が一段落ちます。実際に買う前に店頭価格を確認してください。

値上げでどう変わったか

猫砂まわりの直近の動きを、確認できた範囲で整理します。

コーチョーの「ネオ砂 おから オーガニック 6L/10L」「ネオ砂クイック 6L/10L」は、2026年5月1日から卸の上代が改定されました。ただし公表されているのは新しい上代だけで、旧価格も改定率も出ていません。

ニャンとも清潔トイレは2026年8月27日にリニューアルされています。これは価格改定の告知ではなく、チップの容量も4.4L/2.5Lのまま変わっていません。容量が据え置きなので、この記事の月額計算はそのまま使えます。

デオトイレの「消臭サンド 4L」と「飛び散らない針葉樹の消臭・抗菌チップ 4L」は、2025年9月15日付で卸の終売リストに載っています。デオトイレを検討しているなら、店頭在庫や後継品の有無は買う前に確認しておいたほうが無難です。

もうひとつ、調べていて分かったことがあります。猫砂について、内容量を減らす実質値上げの告知は、調べた範囲では一件も見つかりませんでした。 食品でよく見る「価格据え置き・容量減」のパターンは、少なくとも猫砂では公開情報として確認できていません。この記事の1Lあたり単価が、そのまま比較の基準として使えるということです。

なお、ニャンとも清潔トイレは2024年6月に花王からエステーへ事業譲渡されています。ネット上の古い記事では花王製品として紹介されていることがあるので、メーカー公式を探すときはエステーのサイトを見てください。

コストを下げる3つの方法

方式を変えなくても、下げられる余地はあります。

大容量に切り替える

同じ商品でも、容量が大きいほど1Lあたりは安くなります。この記事のデータだと、常陸化工のファインブルーが6Lで109.8円/L、12Lで99.2円/L。まったく同じ商品で9.7%違います。全体で最安のウッディフレッシュが16Lなのも同じ理由です。

保管場所と、猫が同じ砂を使い続けてくれるかは事前に確認してください。→ 猫砂の大容量・ケース買いはどこが安いか

まず自分の消費量を測る

この記事でいちばん実行してほしいのがこれです。分岐点の表は、自分の消費量という数字が入って初めて答えを出します。袋を開けた日に印をつけるだけで、次の袋を開ける日には自分の月額がわかります。

消費量から月額を出す手順は 猫砂は1ヶ月いくら? で詳しく扱っています。

買う場所を変える

同じ商品でも店によって値段は違います。この記事はヨドバシ1店に揃えて計算しているので、別の店なら分岐点も動きます。実際に買うときは、自分が使う店の価格で計算し直してください。→ ペット用品はどこで買うのが安いか

ただし、安さだけで選ばないほうがいいです

ここまで金額の話をしてきましたが、猫のトイレには金額以外の変数があります。

猫が気に入らなければ使ってくれません。 砂の粒の大きさ、感触、匂い、トイレの形や深さ、カバーの有無——猫には好みがあって、合わないと入らなくなったり、トイレ以外の場所で排泄するようになったりします。そうなれば掃除の手間も後始末の費用も増えて、節約どころではなくなります。

とくに方式を変えるのは、猫にとって負担の大きい変化です。 固まる砂とシステムトイレのチップは、粒の大きさも足触りもまったく違います。切り替えるなら、いきなり全部入れ替えるのではなく、新しいトイレを別に置いて併用しながら様子を見るほうが安全です。元のトイレはしばらく残しておいてください。

掃除の手間と匂いの感じ方は、人によって違います。 固まる砂は毎日固まりを取り除く作業があって、システムトイレは尿がシートに落ちるぶん日々の作業は少ないものの、定期的なチップ・シートの交換があります。どちらが楽かは生活パターンしだいで、金額だけでは決められません。

猫の様子に変化があるときは、獣医師に相談してください。 トイレに行く回数や尿の量がいつもと違う、排泄時に鳴く、といった変化があるなら、砂の種類やコストの話より先に受診の判断が必要です。この記事は費用の比較であって、健康に関する判断材料ではありません。

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