薄型と厚型のペットシーツ、どちらが安い?

薄型と厚型のペットシーツ、どちらが安い?:単価の安さと、実際の割安さは別ものです コスト比較

1枚あたりの単価で並べた順位は、1回あたりで計算し直すと入れ替わります。ただしそれは、メーカーの公称回数をフルに使えた場合の話。実際に得かどうかは、使い方で変わります。

1枚あたりの単価を並べた表は ペットシーツのコスパ比較 にあります。この記事はその続きとして、同じ価格データを「1回あたり」で割り直します。

最終更新:2026年9月12日/出典:各メーカー公式サイト、ヨドバシ.com 掲載価格(税込)/用語集

結論:1回あたりで計算すると順位が入れ替わる

まず結果から見てください。価格はヨドバシ.com 掲載の税込価格(2026年9月12日時点)、1回あたりの数字は当サイトの計算です。

商品 区分 枚数 価格 1枚あたり 公称吸収回数 1回あたり
ユニ・チャーム デオシート しっかり超吸収 レギュラー 厚型 112枚 2,120円 18.9円 5回分(約150cc) 3.79円
アイリスオーヤマ 超吸収ペットシーツ レギュラー 厚型 88枚 1,640円 18.6円 3回分(約12時間) 6.21円
小林薬品 薄型ペットシーツ レギュラー 薄型 800枚 5,510円 6.9円 公表なし 6.89円※
ユニフリー ハニーケア うす型 消臭抗菌 レギュラー 薄型 90枚 1,140円 12.7円 公表なし 12.67円※

※薄型2商品は吸収回数が公表されていないため、「1回で交換」と仮定した数字です。詳しくは次の章で説明します。

1枚あたりで見れば、最安は小林薬品の6.9円。デオシートの18.9円はその2.7倍で、前回の単価表では9商品中6位でした。ところが公称吸収回数で割ると、デオシートが3.79円/回でいちばん安くなり、小林薬品は3位に落ちます。

順位が入れ替わる理由は単純です。厚型は、1枚で複数回を受け止める前提の製品だから。単価表は「1枚をいくらで買えるか」しか見ていません。でも実際に減っていくのは枚数ではなく、排泄の回数分の吸収力のほうです。

ただしこの表は、公称回数を最後まで使い切れた場合の理論値です。ここから先は、その前提がどこまで現実的かを順に見ていきます。

計算の前提

数字の出どころを先に整理しておきます。ここを飛ばすと、上の表は読み違えやすいです。

吸収回数:各メーカーの公式サイトに記載された公表値です。デオシート しっかり超吸収は「オシッコ5回分(約150cc)をしっかり超吸収」、アイリスオーヤマ 超吸収ペットシーツは「約12時間のおしっこ3回分をしっかり吸収できる」と書かれています。

価格:ヨドバシ.com 掲載の税込価格(2026年9月12日時点)です。価格は動きますし、店舗や時期によっても違います。なお同店の表記は「デオシート 無香消臭タイプ レギュラー 112枚」ですが、レギュラー112枚という展開から「デオシート しっかり超吸収 無香消臭タイプ」の短縮表記と見られます。この記事ではメーカー公式の製品名で表記しています。

1回あたりの単価:当サイトが「1枚あたり単価 ÷ 公称吸収回数」で計算したものです。メーカーが発表している数字ではありません。

薄型2商品の扱い:ここが大事な注意点です。今回調べた薄型2商品(小林薬品、ユニフリー)は、いずれも吸収回数を公表していません。上の表の「1回で交換」は、この記事が置いた仮定です。実際に何回分もつかは不明で、1回で替える人もいれば2回使う人もいるでしょう。仮定を変えれば結論も変わります。

つまりこの比較は、厚型については公表値、薄型については仮定に基づいています。数字の性質が左右で違うことを踏まえて読んでください。

メーカーが公表している吸収量

厚型は回数を公表している

厚型2商品は、どちらも吸収量を具体的な回数で示しています。

ユニ・チャーム「デオシート しっかり超吸収」レギュラーは、公式サイトに「オシッコ5回分(約150cc)をしっかり超吸収」と記載。シートサイズは44×32cm、内容量は72枚と112枚の展開です。

アイリスオーヤマ「超吸収ペットシーツ」は「約12時間のおしっこ3回分をしっかり吸収できる」と記載。レギュラー88枚、ワイド42枚、ダブルワイド20枚のラインナップです。こちらは回数に加えて「約12時間」という時間の目安も添えられていて、留守番中の1枚という使い方を想定しているのが読み取れます。

回数が公表されていると、1回あたりの計算ができます。厚型が1回あたりの比較で有利に見えるのは、性能そのものだけでなく、割る数が公開されているという事情も効いています。

薄型は公表していない

一方、今回の薄型2商品には吸収回数の記載がありません。小林薬品 薄型ペットシーツも、ユニフリー ハニーケア うす型 消臭抗菌も、「何回分」という表示は確認できませんでした。

参考になるのは、アイリスオーヤマが標準タイプの「ペットシーツ」シリーズについて「おしっこ1回分をしっかり吸収するシーツ」と説明していることです。薄型・標準タイプが一般にどのくらいの水準で設計されているかの目安にはなります。ただしこれはアイリスオーヤマ製品の説明であって、小林薬品やユニフリーの吸収量を示すものではありません。

そのためこの記事では、薄型を「1回で交換」と仮定して計算しています。あくまで一つの置き方であって、実際の吸収量が判明しているわけではありません。繰り返しになりますが、ここは押さえておいてください。

分岐点:薄型が2回分もてば互角

仮定の置き方で結論が変わるなら、どこで結論がひっくり返るのかを出しておくほうが実用的ですよね。デオシート しっかり超吸収の3.79円/回を基準に、薄型が何回分もてば互角になるかを計算しました(当サイトの計算)。

  • 小林薬品 薄型(6.89円/枚):1.82回分もてば互角
  • ユニフリー うす型(12.67円/枚):3.35回分もてば互角

小林薬品の場合、1枚で2回分の排泄を受け止められれば、デオシートとほぼ並びます。3回もてば逆転します。逆に毎回かならず1枚替えるなら、1回あたりでは厚型のほうが安いという関係になります。

ユニフリーは3.35回分が必要なので、条件はかなり厳しくなります。薄型で3回以上もたせるのは、体格や排泄量によっては現実的でない場面も多いでしょう。

ここで使ってほしいのは、順位そのものより1.82回という数字です。手元の薄型シーツが「2回はいけるか、1回で替えるか」を思い浮かべれば、自分の場合はどちらが安いのか見当がつきます。判断材料は商品名ではなく、自分の交換頻度のほうにあります。

1日3回・6回・10回で、月いくら違うか

具体的な金額に落としてみます。排泄の回数別に月額を出しました(当サイトの計算、1か月=30日。1枚あたりの単価は表示どおりの数字で掛けています)。

商品 1枚あたり 1日3回 1日6回 1日10回
デオシート しっかり超吸収(5回分もつ場合) 18.9円 約340円 約680円 約1,134円
アイリス 超吸収(3回分もつ場合) 18.6円 約558円 約1,116円 約1,860円
小林薬品 薄型(1回で交換) 6.9円 約621円 約1,242円 約2,070円

いちばん安い行といちばん高い行の差は、1日3回なら月約280円(年3,400円ほど)、1日6回なら月約560円(年6,700円ほど)、1日10回なら月約940円(年1万1千円ほど)。回数が増えるほど差は広がりますが、それでも単価表で「3倍の差」と見えていたときの印象とは、ずいぶん違うはずです。

ただし上2行は「公称の吸収回数をフルに使えたら」の話です。 排泄のたびに汚れて必ず1枚替える犬——回数が多い犬や、失禁のある高齢犬はこうなりがちです——は、吸収回数を使い切れません。その場合に効くのは吸収回数ではなく1枚あたりの単価そのもので、見るべきは3行目の考え方になります。

ただしこの表には、そのまま受け取れない数字がひとつ混じっています。

ただし「5回分」を使い切る人は少ない

デオシートの「0.6枚/日」という数字です。これは理論値であって、実際の使い方としてはかなり無理があります。

1日3回の犬が5回分のシートを使い切るということは、1枚を約1日半から2日使い続けるということです。排泄のたびに新しい面が使われるとは限りませんし、時間が経てば臭いも出ます。衛生面を考えて、そこまで引っ張らない飼い主のほうが多いでしょう。犬自身が汚れたシートを嫌がって、別の場所でしてしまうこともあり得ます。

つまり「公称5回分だから0.6枚/日」は、計算としては正しくても、生活としては成立しにくい前提です。実際には2回で替える、朝晩で替える、汚れが目立ったら替える。そういう運用になることが多いはずです。

ここがこの記事の肝心なところで、早く替えるほど厚型の1回あたりの優位は消えていきます。仮にデオシートを2回で替えるなら、1回あたりは18.9円÷2=9.45円。小林薬品の6.89円より高くなります。3回で替えても6.3円で、ほぼ並ぶ水準です。使い切らない前提に立つと、効いてくるのは吸収回数ではなく1枚あたりの単価そのものです。

厚型が安いのは「5回分を5回使えたら」の話。1回で替えるなら、払っているのは18.9円で、受け取っているのは1回分です。

体格でも結論が変わる

もうひとつ、前提を揺らす要素があります。犬の体格です。

デオシートの「5回分=約150cc」を割り算すると、1回あたり30cc換算になります。この数字から逆算すると、小型犬を想定した目安と考えるのが自然です。

1回の尿量が30ccを超える犬なら、同じ1枚で使える回数は当然減ります。1回50ccなら3回分、1回75ccなら2回分という計算です。公称5回分がそのまま5回になるかどうかは、犬のサイズと排泄量次第ということになります。

逆に言えば、自分の犬が1回どれくらい出すかを知らないと、この計算はできません。厳密に測る必要はありませんが、シーツ1枚がどのくらいで限界になるかは、実際に使っていれば感覚でつかめるはずです。その感覚のほうが、公称回数よりも自分にとっては正確な数字です。

ですので大型犬の場合は、公称回数をそのまま当てはめないほうがいいでしょう。使える回数が減れば、1回あたりのコストは上の計算より高くなります。この記事の計算式(1枚あたり単価 ÷ 実際にもつ回数)に、公称回数ではなく自分の家で実際にもつ回数を入れて、比べ直してみてください。

なお、排泄の量や回数がふだんと明らかに変わったと感じた場合は、シーツの選び方の問題ではありません。獣医師に相談してください。

結局どう選べばいいか

ここまでの計算をまとめると、答えは「どの商品が安いか」ではなく「どう使うか」に落ち着きます。同じ商品でも、交換のタイミングが違えば1回あたりのコストは何倍も変わるからです。

整理すると、次の3つになります。

①1回で必ず替える人は、単価の安い薄型

汚れたらすぐ替える、来客前に替える。そういう使い方なら、吸収回数にお金を払う意味がありません。1枚あたりの単価がそのままコストになるので、薄型の6.9円という単価が効いてきます。

②汚れるまで使う人は、厚型

留守番中に1枚で受け止めてほしい、頻繁に交換できる時間がない。そういう場合は、1枚で複数回もつ厚型のほうが枚数を減らせます。アイリス 超吸収の「約12時間」という表示は、この使い方を想定したものでしょう。

③まず、自分が1日何枚使っているかを数える

これがいちばん確実です。1日に何枚減っているかが分かれば、上の計算はそのまま自分の数字に置き換えられます。単価×1日の枚数×30日で月額が出ます。商品を変える前に、いまの使用枚数を1週間だけ記録してみるほうが、比較表を眺めるより早いかもしれません。

なお、同じ商品でも購入先によって価格は変わります。この記事の価格はヨドバシ.com 掲載のものですが、ペット用品はどこで買うのが安いか も合わせて確認してみてください。

ただし、安さだけで選ばないほうがいいです

1回あたりの単価は、判断材料のひとつにすぎません。金額に出てこないコストもあります。

漏れたときの掃除コスト:吸収量が足りずに漏れると、床の掃除や、場合によっては敷物の洗濯が発生します。時間と手間は単価表に載りませんが、実際には一番負担が大きい部分かもしれません。安いシーツを枚数でカバーするつもりが、漏れが増えて結局手間も増えるなら、節約になっていませんよね。

犬が嫌がる可能性:シーツの手触りや厚み、表面の質感が変わると、使わなくなる犬もいます。これは実際に試してみないと分かりません。

切り替えは少量から:だからこそ、いきなり800枚入りを買うのは避けたほうが無難です。小さい内容量で試してから大容量に移るほうが、結果的に無駄が出にくくなります。今回の小林薬品は800枚で5,510円と単価は安いのですが、合わなかったときの在庫は相当な量になります。

排泄の様子に変化があれば獣医師へ:シーツを替えてから排泄の回数や量、様子が変わったように見える場合は、製品の問題とは限りません。自己判断せず、獣医師に相談してください。

出典

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