ペットを飼っていれば、フードも猫砂もペットシーツも毎月買う必要がありますよね。レジや通販サイトで「前より高くなってる?」と思った経験は、飼い主さんなら一度や二度ではないはずです。
昨今の物価高のなかで、「ペットフードが値上げされた」という話は去年からずっと続いていまが、実際にはどのぐらい上がってるのか調べてみました。
なぜ値上げが続いているのか、メーカーが挙げている理由は なぜペットフードの値上げが止まらないのか にまとめているので良かったら参考にしてみてください。
最終更新:2026年9月20日/出典:当サイトの値上げ台帳(一次情報の収集元は各記事に記載)/用語集
結論:中央値は7.00%、値下げは1件もありません
143件の改定率を並べると、こうなりました。
| 改定率 | 件数 | 割合 |
|---|---|---|
| 0%未満(値下げ) | 0件 | 0.0% |
| 0〜5%未満 | 15件 | 10.5% |
| 5〜7%未満 | 48件 | 33.6% |
| 7〜10%未満 | 51件 | 35.7% |
| 10〜15%未満 | 23件 | 16.1% |
| 15%以上 | 6件 | 4.2% |
中央値は7.00%、平均は7.90%。いちばん低かったのが+2.67%、いちばん高かったのが+23.44%でした。5〜10%に99件、全体の69.2%が収まっています。
目を引くのは値下げが1件もないことです。143件すべてが値上げでした。0%(据え置き)もありません。価格が動いたという記録がある以上、それは必ず上方向だった、ということになります。
最高値は、ドギーマンハヤシの「紗 国産牛正肉 六穀入り 100g」と「紗 博多地どり 六穀と緑黄色野菜入り 100g」。どちらも128円から158円で、+23.44%です。最低値は同じドギーマンハヤシの「ウサギのカリカリビスケット いちご&パイン味 70g」で、300円から308円の+2.67%。同じメーカーの中でも8.8倍の開きがあります。
ただし、この7.00%は1社の数字にかなり引っ張られています
先に限界を書いておきます。143件のうち93件、全体の65.0%がロイヤルカナン1社です。同社は対象アイテム数が多く、正規取扱店が個別価格を公表しているので、台帳に載りやすい。逆に、告知を出さないメーカーは1件も載りません。
つまりこの中央値7.00%は「ペットフード業界の平均」ではなく、「価格を公表しているメーカーの、公表された商品だけを集めた中央値」です。メーカー別に分けると、こうなります。
| メーカー | 件数 | 中央値 | いちばん低い | いちばん高い |
|---|---|---|---|---|
| オーエフティー | 10件 | 4.76% | +3.08% | +8.70% |
| マースジャパン | 10件 | 6.99% | +6.24% | +8.04% |
| ロイヤルカナン ジャポン | 93件 | 7.00% | +2.97% | +10.01% |
| ユニ・チャーム ペット | 15件 | 10.64% | +7.91% | +11.61% |
| ドギーマンハヤシ | 15件 | 12.10% | +2.67% | +23.44% |
いちばん低いオーエフティーの4.76%と、いちばん高いドギーマンハヤシの12.10%で、2.5倍の差があります。 「ペットフードは何%上がった」と一括りにできる数字ではない、ということですね。
ばらつき方にも違いがあります。マースジャパンは6.24〜8.04%と狭い範囲に収まっていて、ほぼ一律に近い。ロイヤルカナンも2.97〜10.01%で、容量帯ごとに階層が分かれています(ロイヤルカナンの値上げはいつから?で扱いました)。一方ドギーマンハヤシは2.67〜23.44%と、商品ごとにまったく違います。
何を数えて、何を外したか
数字の作り方を書いておきます。ここが違えば結果も変わります。
台帳にある記録は251件。このうち旧価格と新価格の両方がそろっているのが177件です。残りは、告知に個別価格が載っていなかったり、終売で新価格が存在しなかったりするものです。
177件から、さらに内容量が変わった34件を外しました。理由は次の章で説明しますが、容量が変わった商品の表示価格を他と同じように並べると、結果が壊れます。残った143件が、この記事で集計した対象です。
出所についても書いておきます。143件のうち、メーカー公式の告知から取れたのは15件だけ。残り128件は正規取扱店や卸が公表した価格です。つまりここに並んでいるのは、多くが「その店の販売価格」であって、メーカー希望小売価格ではありません。
税区分は税込103件、税抜30件、不明10件と混在しています。ただし改定率は比なので、税区分の影響は受けません。金額そのものを見るときだけ注意してください。
そして記録がないことは、値上げがなかったことを意味しません。 告知を出さないメーカーの商品は、上がっていてもこの143件には入っていません。
表示価格が半額でも、値上げでも値下げでもないことがあります
外した34件の話です。まずロイヤルカナンの療法食パウチ15品目を見てください。
| 旧 | 新 | 品目数 | 表示価格 | 1袋あたり | 実質 |
|---|---|---|---|---|---|
| 24袋 8,263円 | 12袋 4,131円 | 3品 | −50.01% | 344.29円 → 344.25円 | −0.01% |
| 24袋 6,732円 | 12袋 3,366円 | 2品 | −50.00% | 280.50円 → 280.50円 | ±0.00% |
| 24袋 6,573円 | 12袋 3,286円 | 5品 | −50.01% | 273.88円 → 273.83円 | −0.02% |
| 24袋 6,336円 | 12袋 3,168円 | 1品 | −50.00% | 264.00円 → 264.00円 | ±0.00% |
| 24袋 6,151円 | 12袋 3,075円 | 2品 | −50.01% | 256.29円 → 256.25円 | −0.02% |
| 24袋 6,072円 | 12袋 3,036円 | 1品 | −50.00% | 253.00円 → 253.00円 | ±0.00% |
| 24袋 5,808円 | 12袋 2,904円 | 1品 | −50.00% | 242.00円 → 242.00円 | ±0.00% |
表示価格はきれいに半額になっていますが、1袋あたりは動いていません。 箱の入数が24袋から12袋に変わっただけです。
もしこの15件を143件に混ぜて計算していたら、「ロイヤルカナンは50%値下げした」という結論が出るところでした。実際には値上げでも値下げでもありません。改定率を計算するときに容量を見ないと、こういう間違いが起きます。
逆に、値下げに見えて値上げのこともあります
同じ34件のうち、ユニ・チャームの銀のスプーンは反対向きでした。
| 容量 | 品目数 | 表示価格 | 1kgあたり | 実質 |
|---|---|---|---|---|
| 1.5kg → 1.3kg | 2品 | −8.85% | 828.67円 → 871.54円 | +5.17% |
| 1.4kg → 1.2kg | 2品 | −8.85% | 887.86円 → 944.17円 | +6.34% |
| 1.3kg → 1.1kg | 7品 | −8.85% | 956.15円 → 1,030.00円 | +7.72% |
| 1.1kg → 1.0kg | 5品 | −8.85% | 1,130.00円 → 1,133.00円 | +0.27% |
| 1.0kg → 0.9kg | 3品 | −8.85% | 1,243.00円 → 1,258.89円 | +1.28% |
どの品目も表示価格は1,243円から1,133円へ、110円下がっています。率にすると−8.85%。値札だけ見れば、全品目が値下げです。
でも同時に容量が減っているので、1kgあたりでは上がっています。いちばん影響が大きいのは1.3kg→1.1kgの7品目で、+7.72%。これは143件の中央値7.00%を上回ります。
面白いのは、減った量は同じでも実質の上がり方が揃わないことです。1.3kg→1.1kgと1.1kg→1.0kgは、どちらも0.1〜0.2kg減っていますが、前者が+7.72%で後者は+0.27%。元の容量が小さいほど、同じ110円の値下げが効いてくるからです。 銀のスプーンの件は キャットフード 値上げ一覧 2026 でも扱っています。
この数字でわかること、わからないこと
わかったことを3つに絞ります。
- 公表された143件に、値下げは1件もありませんでした。 中央値は7.00%で、7割が5〜10%に収まります
- メーカーによって2.5倍違います。 中央値でオーエフティー4.76%、ドギーマンハヤシ12.10%。一括りにできる数字ではありません
- 表示価格だけでは判断できません。 半額になっても実質据え置きのことがあり、値下げに見えて実質+7.72%のこともあります
わからないことも書いておきます。
この143件は、価格を公表した商品だけです。告知を出さないメーカーの値上げは1件も入っていません。調べた範囲では、アイシア・ペットライン・スマックは公式サイトに価格改定の告知が一件もなく、卸の上代リストでしか動きを追えませんでした。そういう商品が実際に何%上がったのかは、公開情報からは出せません。
また、容量を減らす実質値上げの告知は、どのメーカーの一次情報にも見つかりませんでした。 銀のスプーンの容量変更が分かったのは、公式通販に旧品が終売品として容量つきで残っていたからです。運が良かったとも言えます。ここを継続的に検知するために、当サイトは主要商品の表示価格と内容量を毎週記録しています。
このデータについて
情報源
- 当サイトの値上げ台帳(2026年9月20日時点で251件)。収集元は各メーカーの公式告知、正規取扱店の告知、卸の上代リストで、行ごとに情報源を記録しています。個々の出典URLは ペット用品 値上げ一覧 2026 ほか各記事に掲載しています
- 改定率は「新価格 ÷ 旧価格 − 1」、実質改定率は「新価格÷新容量 ÷(旧価格÷旧容量)− 1」で当サイトが計算しました。小数第3位を四捨五入しています
メーカーが公表しているのは改定日と対象アイテム数までで、改定率そのものを公表しているメーカーは、調べた範囲では一社もありませんでした。この記事の数字はすべて当サイトの計算であり、メーカーが発表したものではありません。
集計対象は、旧価格と新価格の両方が確認できた177件から、内容量が変わった34件を除いた143件です。税区分は混在していますが、改定率は比なので影響を受けません。記録がないことは、値上げがなかったことを意味しません。

