ロイヤルカナン食事療法食は値上げされた?

ロイヤルカナン食事療法食は値上げされた?:値上げ・流通変更・販売単位変更を切り分ける メーカー・ブランド

食事療法食そのものの価格改定を示すメーカー公式の告知は、調査期間内では確認できませんでした。それでも「高くなった」と感じる理由は3つあって、性質がそれぞれ違います。ひとつずつ切り分けて整理していきます。

他カテゴリの動きとあわせて確認したい方は ペット用品 値上げ一覧 2026 もご覧ください。

最終更新:2026年9月14日/出典:ロイヤルカナン公式サイト、ベッツホームデリバリー(掲載価格)/用語集

結論:何が変わったのか

飼い主が「ロイヤルカナンの療法食が高くなった」と感じる背景には、性質の違う3つの変化が混ざっています。

  • ① 一般食(総合栄養食のドライ・ミルク)の値上げ(2025年9月5日出荷分より) → これは値上げです。ただし食事療法食は公式告知の対象に含まれていません
  • ② 流通変更(2024年10月以降) → これは値上げではありません。販売経路が動物病院と公式・認定オンラインに限定され、「買える場所」が減った変化です。結果として支払額が変わった方はいます。
  • ③ ウェットパウチの販売単位変更(2026年6月2日14時ご注文受付分から) → これも値上げではありません。24袋セットが12袋セットになり表示価格が半分になっただけで、1袋あたりの単価は据え置きです。

この3つを分けずに語ってしまうと、「療法食が値上げされた」という誤った理解になります。以下、ひとつずつ見ていきます。

① 一般食は値上げされたが、療法食は対象外

ロイヤルカナンは、2025年9月5日(金)メーカー出荷分より価格改定を実施すると公式に告知しています。

項目 内容
改定日 2025年9月5日(金)メーカー出荷分より
対象 ロイヤルカナン 総合栄養食のドライ製品・ミルク製品(プロフェッショナル製品、ユーカヌバ製品は除く)
理由 「輸送費用や燃料費用の上昇」(公式告知の記載)
改定率・個別価格 公式告知に記載なし

ここで確認しておきたいのは、この告知の対象に食事療法食とウェット製品は含まれていないという点です。対象として挙げられているのは「総合栄養食のドライ製品・ミルク製品」であり、食事療法食は明記されていません。

2025年9月のニュースを見て「ロイヤルカナンが値上げした」と知り、自分の使っている療法食も同時に上がったと受け取る方もいますが、公式告知の範囲ではそうなっていません。改定率や製品ごとの新価格も公式告知には書かれていないので、この記事でも具体的な数字は扱いません。

一般食側の値上げについて詳しく知りたい方は ロイヤルカナンの値上げはいつから をご覧ください。

② 流通変更で「買える場所」が減った

2024年10月以降、販売経路は3つに限定された

ロイヤルカナンは公式サイトで、食事療法食について「動物病院および公式・認定オンラインのみで販売することといたしました」と案内しています。時期は「2024年10月以降」「2024年秋以降」から順次とされています。

限定された販売経路は次の3つです。

  1. 食事療法食を取り扱う動物病院
  2. 公式オンラインストア「ベッツホームデリバリー」
  3. 認定オンラインストア(公式サイトには「2024年10月より約10(予定)の『認定オンラインストア』が誕生」と記載)

買えなくなった場所

公式サイトには、次のように明記されています。

動物病院以外の実店舗(ペットショップ、ホームセンターなどの販売店)や認定を受けていないオンラインストアではご購入いただけなくなります

これまでペットショップやホームセンターで療法食を買っていた方、あるいは認定を受けていないオンラインストアを使っていた方は、同じ場所では購入できなくなったことになります。

なぜ「値上げされた」と感じるのか

ここが、今回のテーマでいちばん誤解されやすい部分です。

価格そのものが改定されていなくても、購入先が変われば支払額は変わり得ます。これまで比較的安く買える経路を使っていた方が、その経路を使えなくなり、動物病院や公式・認定オンラインで買うようになれば、体感としては「値上げされた」と感じられます。実際に起きているのは価格改定ではなく、購入できる場所の変更です。

ただし、経路ごとにどれくらいの差があったのかは、店舗によっても時期によっても違いますし、公式に公表された数字はありません。この記事では具体的な価格差の数字は扱いません。「以前より支払いが増えた」という体感自体は否定できませんが、それを一律の値上げ幅として語ることはできない、というのが実情です。

非正規流通品のリスク

「ネットで買っても大丈夫なのか」と迷う方もいると思います。公式オンラインストアの「ベッツホームデリバリー」と、ロイヤルカナンが認定したオンラインストアであれば、どちらも正規の販売経路です。問題になるのは、その外側です。

流通変更後も、正規の販売経路以外で療法食が出回っている場合があります。こうした商品を選ぶときには、次の点が確認できないという問題があります。

  • 保管状態が分からない — 食事療法食を含むペットフードは、温度や湿度の管理状態によって品質が変わり得ます。正規ルート外では、メーカー出荷から手元に届くまでの保管環境を確認する手段がありません。
  • 真贋や賞味期限が保証されない — 正規の流通に乗っていない商品は、製品そのものの真正性や、表示されている期限の正確さについて、メーカーや正規販売店による保証の外にあります。
  • 問題があったときの窓口がない — 不具合や体調の変化があった場合に、購入元と獣医師、メーカーをつなぐ経路が確保されていません。

特定の店舗を名指しして論じる話ではなく、正規ルート外の購入には一般的にこうした不確実性がある、という整理です。食事療法食は獣医師の指導のもとで使うものである以上、入手経路も含めて把握できる状態にしておくことに意味があります。

③ ウェットパウチは販売単位が変わった(値上げではない)

24袋セットから12袋セットへ

ベッツホームデリバリーは、ウェットパウチ製品の販売単位を「2026年6月2日(火)14時ご注文受付分から」変更しています。変更内容は「(変更前)24袋セット⇒(変更後)12袋セット」です。

この変更で、商品ページに表示される価格が従来のおよそ半分になりました。ここだけを見て「値下げされた」と受け取る方もいますが、そうではありません。

1袋あたりの単価は据え置き

入っている袋の数が半分になり、価格も半分になっただけで、1袋あたりの単価は据え置きです。以下が変更前後の対照です(価格は税込)。

動物 製品名 サイズ 旧価格(24袋) 新価格(12袋) 1袋あたり
ユリナリーS/O 100g 6,732円 3,366円 280.5円(変化なし)
ユリナリーS/O ライト 100g 6,732円 3,366円 280.5円(変化なし)
ユリナリーS/O エイジング7+ 85g 6,336円 3,168円 264.0円(変化なし)
ニュータードケア 100g 6,072円 3,036円 253.0円(変化なし)
エイジングケア 85g 5,808円 2,904円 242.0円(変化なし)
ユリナリーS/O+CLT 85g 8,263円 4,131円 約344.3円(ほぼ変化なし)
ユリナリーS/O エイジング7++CLT 85g 8,263円 4,131円 約344.3円(ほぼ変化なし)
腎臓サポート+関節サポート 85g 8,263円 4,131円 約344.3円(ほぼ変化なし)
ユリナリーS/O 85g 6,573円 3,286円 約273.9円(ほぼ変化なし)
腎臓サポート チキン/フィッシュ/ビーフ 85g 6,573円 3,286円 約273.9円(ほぼ変化なし)
消化器サポート/同 可溶性繊維 85g 6,573円 3,286円 約273.9円(ほぼ変化なし)
糖コントロール/満腹感サポート 85g 6,573円 3,286円 約273.9円(ほぼ変化なし)
セレクトプロテイン チキン&ライス 85g 6,573円 3,286円 約273.9円(ほぼ変化なし)
早期腎臓サポート 85g 6,151円 3,075円 約256.3円(ほぼ変化なし)
ニュータードケア 85g 6,151円 3,075円 約256.3円(ほぼ変化なし)

猫用製品の「ほぼ変化なし」は、旧価格を24で割ったときに端数が出るためで、1円未満の差にとどまります。値下げでも値上げでもありません。

販売単位が半分になったことで、1回の注文金額のハードルは下がりました。まとめ買いの一度の負担は軽くなる一方、ベッツホームデリバリーの送料無料ライン(6,600円以上)には、以前より届きにくくなります。どちらが自分にとって都合がよいかは、購入頻度や保管スペース、複数製品をまとめて買うかどうかで変わってきます。

食事療法食そのものの値上げはあったのか

調査期間(2025年9月〜2026年9月)において、食事療法食そのものの価格改定を示すメーカー公式の告知は見つかりませんでした

ここは言葉を慎重に使う必要があります。これは「値上げがなかった」ことの証明ではありません。「公開された一次情報が見つからなかった」という意味です。公式に告知されない形での価格の動き、あるいはこの記事の調査範囲外での告知の可能性を、この記事は否定できません。

検索していると、動物病院のお知らせページなどに「10月1日より6%値上げ」といった記載が見つかることがあります。この記事ではこれらを採用していません。理由は、掲載年が特定できず、いつの改定を指しているのか確認できなかったためです。同じ文面が何年も掲載され続けている場合もあり、年が分からない告知を根拠に「いつ何%上がった」と書くことはできません。

したがって現時点で言えるのは、次の3点です。

  • 一般食の値上げは公式に告知されている(ただし療法食は対象外)
  • 療法食そのものの価格改定を示す公式告知は、調査範囲では確認できなかった
  • 購入先の実売価格は動物病院・認定オンラインストアごとに異なるため、「自分の買っている価格が上がったかどうか」は購入先に確認するのが確実

いまの公式通販価格(腎臓サポート系ドライ)

「値上げされたか」は分からなくても、いまいくらかは分かります。ロイヤルカナンが公式に運営するベッツホームデリバリーの掲載価格です(税込、2026年9月14日時点)。手元のレシートと見比べれば、自分の買っている場所が公式通販より高いか安いかは判断できます。

商品 500g 2kg 4kg
猫用 腎臓サポート ドライ 2,047円 6,568円 11,243円
猫用 腎臓サポート スペシャル ドライ 2,208円 7,240円 12,293円
猫用 腎臓サポート セレクション ドライ 2,208円 7,240円

これは現在の価格であって、過去と比べた数字ではありません。 当サイトは過去の公式通販価格を記録していないので、この表から値上げの有無は判断できません。今後は毎月記録して、変化があればこの表に反映します。

動物病院での価格はこれとは別です。病院ごとに決まるので、公式通販より高いことも安いこともあります。差が気になるなら、次の通院のときに会計のレシートとこの表を見比べてみてください。

正規ルートで費用負担を抑えるには

食事療法食は獣医師の指導のもとで使うものなので、製品そのものを変えずに負担を調整する方法に絞って整理します。以下はすべて正規ルート内の話です。

購入先ごとの価格を把握する

食事療法食の販売価格は、動物病院、ベッツホームデリバリー、認定オンラインストアでそれぞれ設定されていて、一律ではありません。かかりつけの動物病院での価格と、公式・認定オンラインでの価格を実際に見比べたうえで購入先を決める、という考え方はできます。どこがいくら安いという一般論は成り立たないので、ご自身の使っている製品とサイズで確認してみてください。

公式通販「ベッツホームデリバリー」の条件を確認する

ロイヤルカナンが公式に運営する、犬・猫用療法食専門の通販サイトです。利用にはログイン・新規登録が必要で、次の条件があります。

  • 6,600円以上で送料無料
  • ポイントプログラム:製品価格の3%還元
  • 定期購入オプションあり

送料無料ラインを意識して注文をまとめる、ポイント還元を織り込んで比較する、給与量が安定しているなら定期購入を検討する、といった調整ができます。ただしウェットパウチは前述のとおり販売単位が12袋になったので、以前と同じ感覚で注文すると6,600円に届かないことがあります。

買いだめは獣医師と相談して

値上げや在庫を意識して大量に買いだめすることは、賞味期限や保管環境の面から必ずしも有利とは限りません。給与量の変更や処方の見直しがあれば、余った分が無駄になる可能性もあります。購入量の判断も、獣医師と相談したうえで決めてください。

フードの変更は必ず獣医師に相談を

ここがこの記事でいちばん大事な部分です。

食事療法食は、特定の健康維持を目的として栄養成分が設計された製品であり、獣医師の診断と指導のもとで使うものです。ベッツホームデリバリーのサイトにも、次のように明記されています。

食事療法食をご使用になる際は、必ず動物病院にご相談のうえ、獣医師の指導にしたがってご使用ください

価格が理由でフードを変えることは、自己判断で行わないでください。

  • 「高くなったから市販のフードに切り替える」
  • 「似た名前の別ブランドの製品なら大丈夫だろう」
  • 「量を減らして長持ちさせる」

これらはいずれも、獣医師の管理下にある食事内容を勝手に変えることになります。食事療法食は治療や健康管理の一部として処方されており、成分設計が製品ごとに異なります。パッケージの説明が似ていても、同じ役割を果たすとは限りません。給与量を独断で減らすことも同様です。

この記事も、代わりの製品を提案することはしません。それは記事が判断してよい領域ではないからです。

費用の負担が重いと感じている場合に取るべき行動は、製品を自分で変えることではなく、かかりつけの獣医師にその旨を伝えることです。獣医師は診断内容と経過を把握したうえで、製品の選択肢、給与量、サイズ違いの提案、購入経路など、安全な範囲での調整を検討できます。金銭的な事情を伝えることは遠慮すべきことではなく、継続できる形を一緒に考えるための情報です。

購入先を変える場合も、まずかかりつけの動物病院に相談してください。同じ製品を正規ルート内で買うだけであっても、経過の確認や在庫の取り置きなど、病院側で把握しておいたほうがよいことがあります。

出典

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